重症妊娠悪阻

多くの方が経験するつわりですが、つわりが悪化していくと重症妊娠悪阻(じゅうどにんしんおそ)と呼ばれる病にかかることもあります。

つわりのつらさは判断基準が難しく、我慢してしまったり悩んでしまったりする人が多いと思います。大袈裟かもしれませんが、母体の命が危険にさらされてしまうこともあります。吐きつわりが重い方は以下を参考に注意されてください。

症状

初期には、通常のつわりの症状が起こります。徐々に体のだるさや吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少、頭痛、便秘といった症状が現れます。つわりの症状がとても強いため、食欲不振に陥ったり、水分さえ摂取困難になったりします。そのため、体自身が命令を出し、体の脂肪を分解してエネルギーへ変えていきます。尿中にはケトン体が検出されます。また、水分が摂取できないため、脱水状態になり、尿が1日に少量しか出なくなります。

症状には第1期〜第3期までの段階があります。重症化していくと以下のように段階的に症状が悪化していきます。

第1期    摂食障害、脱水症状

第2期    飢餓状態、ケトン体の出現、中毒症状

第3期    脳神経症状(幻覚、幻聴、めまい等)、肝臓や腎臓への機能障害

原因

通常のつわりと同様、原因はまだはっきり分かっていません。妊娠によるホルモンバランスの変化などが関係しているのではないかと言われています。胎盤が完成される頃や体が妊娠の状態に慣れていく4か月頃になると症状も治まっていくと言われています。

病院へかかるまでの自己判断

つわりは多くの人が体験するものであり、誰でもつらいものという認識が強くあり重症になっていても我慢してしまいがちです。どの程度の症状が現れたら病院へ行くべきなのか判断基準に悩んでしまいがちです。嘔吐が1日に5回以上あったり、体重が元の体重から10%減少したりする。食事や水分が取れない。尿の量や回数が減ってきた。このような症状が1つでも見られたら早めに受診することをお勧めします。

また、胎児のことが心配になってしまうお母さんも多いですが、妊娠初期にはつわりで栄養が十分に取れなくても、母体が酷い状態に陥らない限りは胎児には特別影響はないと言われています。重症妊娠悪阻の兆候が見られたらできるだけ早めに受診してください。

入院することになったらお金もかかりますが、重症妊娠悪阻は立派な病気です。保険の対象にもなっているので、安心してください。

診断

産婦人科など、妊婦検診で通っている病院などで検査を行います。尿を取り、尿中のケトン体の量で症状の強さが表されます。4+という値が最高値になります。脱水で尿が少量でも200ml程度出れば検査は可能です。

治療

重症妊娠悪阻はとにかく安静でいることが大切です。動く量やストレスを減らし症状が回復することを待ちます。ケトン体が3+や4+のように症状が重い場合は入院治療が行われます。吐き気や嘔吐があるうちは、絶飲絶食で点滴治療をします。点滴では水分や糖分、ビタミン類が投与されます。吐き気や嘔吐が治り始め、水分摂取が可能になってきたら少量の食事を取り始めます。徐々に量を増やしていき退院に向かいます。この頃には、ほとんど食事がとれるようになっており、尿も1日に1リットル以上は出るようになっています。また、細く痩せた血管も点滴の針が1発で刺さる程の青々ふっくらするまでに回復してきます。

治療期間は人それぞれです。2日間で治る人もいれば、半年入院していたという人もいます。1週間〜1か月程度という人が多くいるようです。つらいつわりですが、必ず治療には終わりがくるので安心してください。

参考

妊娠悪阻とは?子育てハック

重症妊娠悪阻とは?mamari

2016/12/02 更新

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